賃貸物件の個人名義から法人(会社)名義への変更については、基本的に「名義変更だけでは済まず、契約のやり直し(新規契約)」が必要になるケースが多いです。以下に理由と詳細をまとめます。
【1】なぜ契約のやり直しが必要か?
✅ 契約主体が「別人」になる
•個人と法人は法律上、**別の人格(権利主体)**です。
•「名義変更」ではなく、新たな賃借人としての契約が必要です。
✅ 賃貸条件が変わることも多い
•法人契約になると、貸主(オーナー)が以下を理由に
契約内容を見直すことがあります。
o使用目的(住居→事務所等)の変更
o保証人や保証会社の再審査
o敷金の増額
o賃料の増額(事業利用時)など
【2】実務上の手続きの流れ(一般例)
1. 現在の個人契約を「解約」
2. 法人名義で「新規契約」
o新たに申込書・審査・契約書の締結が必要
o法人の登記簿謄本・代表者の身分証明書・印鑑証明などの提出
3. (必要に応じて)現状回復や立会い
o契約の継続性を持たせるために、
オーナーが同意すれば「名義変更扱い」で済むこともあります(稀)
【3】例外的に「名義変更」で済むケース(非常に稀)
以下すべてに当てはまる場合は、名義変更だけで済む可能性もありますが、
事前に必ずオーナーや管理会社と協議が必要です。
•法人代表者=現賃借人(個人)
•使用目的が住居のまま(実態も変わらない)
•オーナーが名義変更に同意し、契約条項を変えないことを承諾
•保証人や保証会社がそのまま引き継げる(または新たに審査済み)
【4】対応方法(アドバイス)
•管理会社や貸主に「法人名義に変更したい」と意向を伝えた上で、
o新規契約が必要か?
o敷金や賃料など条件変更があるか?
o法人契約で必要な書類は何か?
を確認しましょう。
(了)
